MCP-Mod概略
いよいよ本題です。MCP-Modの原著は2005年公開。その名の通り「多重比較(MCP)」と「用量反応関係のモデル化(Mod)」の2部構成で,
- あらかじめ代表的な用量反応関係モデル候補を決めておく
- 個々のモデルにいくつかの初期値を与え,各モデルにフィットするような用量群の平均パラメータについての対比を決める
- 2で決めた対比を,多重性を調整して同時に検定する
- 3で有意差のあった対比に対応する用量反応関係モデルの中で当てはまりが最もよい(AICが小さい)ものを用量反応関係モデルに採用する
biomデータに適用
早速実演ですが,話を簡単にするために,用量反応関係モデル候補は以下の3つにしました。- 線形モデル(単調増加)
- Emaxモデル(ある用量でプラトー)
- 2次関数(Downturn)
対比検定
(片側)検定結果は以下の通り- 線形モデル:p=0.0034
- Emaxモデル:p≺0.0001
- 2次関数:p=1.0000
AICによる選択
AICは以下の通り- 線形モデル:7.5549
- Emaxモデル:6.2981
グラフにすると…
このグラフを見て臨床用量候補を決めろと言われれば…
- Emax曲線が見た目プラトーになっているのは用量0.4以降
- 用量1でのEmax曲線の95%信頼区間幅が用量0.6よりやや広いのが気になる
- 臨床用量候補には0.6を選ぶのが無難
その頃私は:ざわざわ…
学位取得はうまく行かない一方で今の妻との交際は順調,2007年に結婚。こんな私でも結婚できるんですね~。さらに,その翌年の元日には長男誕生。プライベートはまさしく順調という感じに進んだ時期でしたが,仕事はかなり荒れ気味に。人に仕事を振れない,「人をリードする仕事」があることを知らない,といった点は私の問題でしたね。 でもそれはそれで学ぶことの多かった時期でもあり,私にとってはやはり必要な時期だったのでしょう。
ただし会社自体もちょっと停滞気味で,成功体験を積むことの少ない時期だったように記憶しています。そうなると社員の意識も荒んでしまう。そういえば,2000年代初頭には毎年恒例のボーリング大会を開催していましたが,いつからか開かなくなりましたね。
そんな中で,割に歴史のある製薬企業Tとの合併に至ります。合計5社の寄り合い所帯です。しかし,合併の際に行うすり合わせ等には全く呼ばれず,この時点でちょっと気持ちが切れかけていたかもしれません。
コメント
コメントを投稿