臨床用量候補を決める:原則論
0用量以外の用量から,実際に臨床での治療に用いる用量候補を決める問題ですが,ICH E4ガイドラインがそのための原則論となっています。https://goo.gl/ta1T8g
このガイダンスによれば,このデータを集めた目的は
- 用量反応関係を関数関係として推定する
- 最低でも「被験薬は確かにクスリである」ことを統計的に確認する
しかし,最近までこの問題はなかなかすっきりと解決できていなかった。今回ブログのきっかけとなったMCP-Modは2つの問題の一挙解決を目指した手法です。
DR推定問題だけなら…
E4ガイドラインでは試験デザインの記述が主で,統計手法は何も述べていません。従って,DR推定問題だけなら,グラフを見るだけでも「0.2~1のどれかを選ぶだろ~」
「1より上の用量だともっと有効かも」
「いやいや,真ん中とって0.6」
などといった議論くらいは可能だと思います。もう一度類似の試験を実施するつもりならこれでもよいと思いますが,もし次にピボタル試験を予定しているのであれば,評価があまりに定性的で結論が出ないのはまずい。そこで定量的評価が必要になってきます。
そこで試行錯誤が始まります。1990年代中盤あたりだったと思います。
私就職しました。そして…
それと時を同じくして,1996年に私は大学院修士課程を修了,割と小さな製薬企業に就職しました。統計数学を研究していましたが,生物統計については知識ゼロ。期待と不安を胸に,九州男児は初めて生活拠点を東京に移しました。なお,同じ年に私の妻も別の製薬企業に就職。
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