少し進んで、後手が2二玉と金矢倉に玉を囲った局面。いわゆる脇システムと呼ばれる形になりました。先手が飛車先の歩を早めに五段目まで突く形が復活したことで、脇システムも採用されるケースが増えているようです。
先手としては先攻していきたいところで、かつては6四角・同銀・4六銀と進むこともあったようですが、この手順は先手から角を交換することで先手が一手損しており、後手が手番を握っています。そこで6九角などと打ち込まれると、先攻するつもりが先攻されており、難解ながらややつまらない進行です。
そこで先手は9六歩と突いて後手の応手を見ます。一般的には相矢倉で棒銀の可能性がある場合、玉そばの端歩は突いてはいけないとされていますが、脇システムの場合角交換することで受ける側にも反撃の含みがあり、それで問題がなければ玉の可動範囲が広がり、プラスになると考えられています。これには後手も1四歩と玉そばの端歩を突きます。先手は1六歩と突き合って端攻めの含みをつくり、後手も9四歩と突いてこちらも端攻めの可能性を残しました。
後手が9四歩と突いた局面。お互いに端歩を突き合い、駒組が飽和状態になりました。先手は手渡しも難しいので、手損でも6四角と自分から角を交換して打開しました。これには6四同歩が比較的新しい対応で、7三の銀の働きが今一つでも6五歩から馬を作ることができれば後手指せるという主張です。
6四同歩では6四同銀と応じるのが定跡とされており、以下2六銀・6九角に1五歩から先手が先攻し、後手がしばらく受けに回る進行になります。
後手の対応に対する先手の準備が問われる場面になりました。
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