先手が4六歩と突いた局面。後手としては先手の急戦策を警戒しながら駒組を進める必要がありそうです。
実戦はここで4三金右と上がって金矢倉に組みました。先手は3七桂と跳ね、8五歩に6六銀と上がり、いわゆる米長流急戦矢倉の構えを採り、早めの4五歩の仕掛けを目指しました。
- なお、6六銀で6六歩から相矢倉を目指すのは、今度こそ後手が5四歩と突き、7三銀~7五歩の動きを見せられると、先手はスピード負けしそうです。
先手が6六銀と上がって米長流急戦矢倉を目指した局面。これは米長永世棋聖が昭和50年代後半~60年代前半に連投させて大活躍した戦法です。対策が進んで一時指されなくなりましたが、現代の矢倉戦は早めに飛車先の歩を五段目まで突くようになり、また新たな攻め筋もAIの活用で見出されたこともあり、近年やや復活しています。
これに対し後手は7三銀と上がりました。以下4七銀に6四銀と上がり、5筋に銀を利かせて待機しました。ここで後手の5筋の歩を保留していることで、先手に5五歩と歩をぶつける手段がないのが重要で、争点を少なくすることで受けやすくなる意味があります。そこで先手は4五歩と仕掛けました。先手は先攻したものの5筋で歩をぶつけられない分攻めが細く、それをどうカバーするかがキーポイントになりそうです。ただし全般的に後手がわずかながらリードする変化が多そうで、早くも先手が苦労の多い展開になっているのかもしれません。
- 4五歩では5五銀とすぐにぶつける手はありそうです。以下、
- 感想では、5四歩・6四銀・同角であしらわれそうとの見解ですが、以下6五銀・8六歩・同歩・同角・8七歩・9五角・6六角(8四角の防ぎ)となれば、先手もまずまずでしょう。
- 5五同銀には同角で、これは先手まずまずでしょう。本譜は狙いの仕掛けですが、結果的に後手の駒組を活かすことになりました。
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